いよいよ大詰めを迎えつつある第62期王位戦七番勝負。
8月18日・19日に行われた第4局目は後手番の藤井聡太王位が140手で豊島将之竜王を下し、防衛に王手をかけました。
続く第5局目は舞台を徳島県徳島市の「渭水苑」に移して行われます。
「渭水苑」も第3局目の舞台となった「中の坊瑞苑」と並び、王位戦ではすっかりおなじみの場所となっています。
目次
5局目と言えば渭水苑
これまで「渭水苑」でのタイトル戦は王位戦のみで実施されており、今回の開催で22回を数えます。
初の開催は第37期(1996年度)王位戦七番勝負第5局、羽生善治王位(当時)vs深浦康市五段(当時)からです。
そして、「渭水苑」での開催は第5局目が恒例となっており、過去21回の開催のうち、実に19回も第5局目の開催となっています。
王者が大きくリード
過去21回の対戦成績は王位側から見て15勝6敗(2千日手)と挑戦者側を大きく引き離しています。
期 | 局 | 王位 | 勝敗 | 挑戦者 | |
第37期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 深浦康市 |
第38期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 佐藤康光 |
第39期 | 第5局 | 羽生善治 | ● | ○ | 佐藤康光 |
第41期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 谷川浩司 |
第43期 | 第5局 | 羽生善治 | 千日手 | 谷川浩司 | |
第43期 | 第5局 | 羽生善治 | ● | ○ | 谷川浩司 |
第44期 | 第5局 | 谷川浩司 | ○ | ● | 羽生善治 |
第45期 | 第1局 | 谷川浩司 | ○ | ● | 羽生善治 |
第47期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 佐藤康光 |
第48期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 深浦康市 |
第49期 | 第5局 | 深浦康市 | ● | ○ | 羽生善治 |
第50期 | 第5局 | 深浦康市 | ○ | ● | 木村一基 |
第51期 | 第5局 | 深浦康市 | 千日手 | 広瀬章人 | |
第51期 | 第5局 | 深浦康市 | ● | ○ | 広瀬章人 |
第52期 | 第5局 | 広瀬章人 | ○ | ● | 羽生善治 |
第53期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 藤井猛 |
第54期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 行方尚史 |
第55期 | 第2局 | 羽生善治 | ○ | ● | 木村一基 |
第56期 | 第5局 | 羽生善治 | ○ | ● | 広瀬章人 |
第57期 | 第5局 | 羽生善治 | ● | ○ | 木村一基 |
第58期 | 第5局 | 羽生善治 | ● | ○ | 菅井竜也 |
第59期 | 第5局 | 菅井竜也 | ○ | ● | 豊島将之 |
第60期 | 第5局 | 豊島将之 | ○ | ● | 木村一基 |
15勝 | 6勝 |
そして、過去21回のうち、「渭水苑」での決着局が8局もあります。
期 | 年度 | 優勝者 | 成績 | 相手 |
第37期 | 1996 | 羽生善治 | 4-1 | 深浦康市 |
第38期 | 1997 | 羽生善治 | 4-1 | 佐藤康光 |
第43期 | 2002 | 谷川浩司 | 4-1 | 羽生善治 |
第44期 | 2003 | 谷川浩司 | 4-1 | 羽生善治 |
第53期 | 2012 | 羽生善治 | 4-1 | 藤井猛 |
第54期 | 2013 | 羽生善治 | 4-1 | 行方尚史 |
第56期 | 2015 | 羽生善治 | 4-1 | 広瀬章人 |
第58期 | 2017 | 菅井竜也 | 4-1 | 羽生善治 |
既に藤井王位が防衛に王手をかけており、9回目の決着局の場所となるのか注目です。
渭水苑の顔
やはり、「渭水苑」での対局と言えば、「中の坊瑞苑」同様、羽生善治九段を抜きには語れません。
過去21回の対局のうち、実に17回もの登場を果たしています。
そして、挙げた白星も10勝と堂々の第1位です。
No. | 棋士名 | 勝 | 敗 |
1 | 羽生善治 | 10 | 7 |
2 | 谷川浩司 | 3 | 1 |
3 | 広瀬章人 | 2 | 1 |
3 | 菅井竜也 | 2 | 0 |
5 | 深浦康市 | 1 | 4 |
5 | 木村一基 | 1 | 3 |
5 | 佐藤康光 | 1 | 2 |
5 | 豊島将之 | 1 | 1 |
9 | 藤井猛 | 0 | 1 |
9 | 行方尚史 | 0 | 1 |
今後、藤井聡太王位が羽生九段に変わる「渭水苑」の新しい顔になっていくのでしょうか。
要チェックです。
決めるか、踏みとどまるか
いかがだったでしょうか。
藤井王位が勝って、棋聖に引き続き王位も防衛するのか。
それとも、直近の叡王戦のように豊島竜王が勝って、土俵際で踏みとどまるのか。
明日から始まる第62期王位戦第5局。
熱戦必至です。