いよいよ1月9日に開幕する第71期ALSOK杯王将戦。
今期4連覇を狙う渡辺明王将が迎え撃つ相手は最難関の王将リーグをくぐり抜け、五冠目を虎視眈々と狙う藤井聡太竜王。
満を持しての本命の登場と言ってもいいでしょう。
その第1局目は将棋ファンにはすっかりおなじみとなった静岡県の掛川城です。
現在、将棋の日となっている「11月17日」は江戸時代に行われていた御城将棋が元となっています。
まさに掛川城での対局は将棋にふさわしい場所とも言えるでしょう。
13年連続開催
掛川城での開催は今回で13年連続となります。
期 | 局 | 王将 | 勝敗 | 挑戦者 | |
59期 | 第3局 | 羽生善治 | ● | ○ | 久保利明 |
60期 | 第2局 | 久保利明 | ● | ○ | 豊島将之 |
61期 | 第1局 | 久保利明 | ● | ○ | 佐藤康光 |
62期 | 第1局 | 佐藤康光 | ● | ○ | 渡辺明 |
63期 | 第1局 | 渡辺明 | ○ | ● | 羽生善治 |
64期 | 第1局 | 渡辺明 | ○ | ● | 郷田真隆 |
65期 | 第1局 | 郷田真隆 | ○ | ● | 羽生善治 |
66期 | 第1局 | 郷田真隆 | ● | ○ | 久保利明 |
67期 | 第1局 | 久保利明 | ● | ○ | 豊島将之 |
68期 | 第1局 | 久保利明 | ● | ○ | 渡辺明 |
69期 | 第1局 | 渡辺明 | ○ | ● | 広瀬章人 |
70期 | 第1局 | 渡辺明 | ○ | ● | 永瀬拓矢 |
71期 | 第1局 | 渡辺明 | ? | ? | 藤井聡太 |
5勝 | 7勝 |
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2回目以降は第1局目の開催が11年連続となっており、すっかり定着してきた感があります。
王将戦はその年の最初のタイトル戦でもありますので、掛川城はまさにタイトル戦の指し初め地となっています。
そして、過去12戦における対戦成績は挑戦者が7勝5敗と若干勝ち越している状況です。
果たしてこのデータが挑戦者であります藤井竜王の追い風となるのでしょうか。
全勝負けなし
No. | 棋士名 | 勝 | 敗 |
1 | 渡辺明 | 6 | 0 |
2 | 久保利明 | 2 | 4 |
3 | 豊島将之 | 2 | 0 |
4 | 佐藤康光 | 1 | 1 |
5 | 郷田真隆 | 1 | 2 |
6 | 羽生善治 | 0 | 3 |
7 | 広瀬章人 | 0 | 1 |
8 | 永瀬拓矢 | 0 | 1 |
9 | 藤井聡太 | 0 | 0 |
渡辺明王将は6勝0敗という抜群の相性の良さを見せつけています。
6度戦って無敗とは、渡辺王将にとって掛川城はよほど戦いやすい場所なのでしょう。
しかし、現在、タイトル戦向かうところ敵なしの藤井竜王です。
二人の直近のタイトル戦でもあった第92期棋聖戦でも渡辺王将は藤井竜王に自身初のストレート負けを喫しています。
きっと渡辺王将も掛川城での過去の成績は関係なく、気を引き締めているところではないでしょうか。
複数冠対決
王将戦における複数タイトル保持者同士の対決は今期を含めて、5回あります。
期 | 王将 | 保持タイトル | 挑戦者 | 保持タイトル |
20 | 大山康晴 | 王将・名人・王位 | 中原誠 | 十段・棋聖 |
52 | 佐藤康光 | 王将・棋聖 | 羽生善治 | 竜王・王座・棋王 |
54 | 森内俊之 | 王将・名人 | 羽生善治 | 王位・王座 |
63 | 渡辺明 | 王将・棋王 | 羽生善治 | 王位・王座・棋聖 |
71 | 渡辺明 | 王将・名人・棋王 | 藤井聡太 | 竜王・王位・叡王・棋聖 |
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過去4回の最終結果は王者側の防衛が2回、挑戦側の奪取が2回の全くの互角となっています。
今回はどのような結果が待ち受けているのでしょうか。
頂上決戦
いかがだったでしょうか。
今回の対決は三冠vs四冠という過去最高の複数冠同士のいわば頂上決戦と言ってもいいでしょう。
渡辺王将が王将を防衛し、三冠を維持するのか。
それとも、藤井竜王が王将位を奪取し、史上最年少の五冠王を達成するのか。
とにかく目が離せないシリーズになることは間違いないでしょう。