ステレオタイプの思考が頭の中を占めているせいか、何故か将棋を嗜む人はお年寄りが多いというイメージが強い。
確かに近年、藤井聡太王位・棋聖の活躍で将棋人口が子供や若年層にも広がりつつある。
しかし、それでも、50歳~60歳以降のいわゆる壮年層から老年層の人たちが大部分を占めている感は否めない。
そんなふと感じた先に行き着いたのが、棋士の寿命っていったいどれぐらいなものなのかという疑問。
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そんな変哲もない疑問を解決すべく、ここでは将棋棋士の寿命について調べてみることにしました。
棋士の平均寿命は?
2021年6月1日現在、棋士番号を付与されている棋士は327人。
そのうち、物故棋士は91人でその没年齢の平均は72.0歳となっています。
WHO(世界保健機構)が発表した2020年版の世界保健統計によると、日本人男性の平均寿命は81.1歳。
(以下、WHOからの発表統計による)
つまり、将棋棋士の平均寿命は日本人男性の平均寿命に比べると約9歳低いことがわかります。
世界と比較すると・・・
世界での男性の平均寿命は69.8歳。男女全体では72.0歳となっています。
つまり、将棋棋士の平均寿命は男性単体と比べると約2歳ほど長寿、男女全体だと全く同じであることがわかります。
ちなみに国別の男性平均寿命では、サモアと同じ平均寿命となっています。
対象 | 平均寿命 | |
将棋界 | 棋士 | 72.0歳 |
日本 | 男性 | 81.1歳 |
世界 | 男性 | 69.8歳 |
全体(男性+女性) | 72.0歳 | |
サモア | 72.0歳 |
将棋界の長寿は誰?
これまでの最高齢での逝去は丸田祐三九段の95歳。
続いて加藤博二九段の90歳となっています。
90歳代はこのおふたりだけ。
あとは80歳代、70歳代ともに29人となっています。
豆知識
生没同日の棋士
・金子金五郎九段 1902年1月6日(生)➡1990年1月6日(没)
・加藤博二九段 1923年9月15日(生)➡2013年9月15日(没)
将棋界は息が長い世界
いかがだったでしょうか。
もちろん、日本や世界のデータに対して抽出方法や規模が全く違うので、単純比較はできません。
しかし、90歳代、80歳代、70歳代の合計が全体の6割強を占めていることを考えると、将棋棋士は比較的長命な人が多いと言えます。
また、寿命というと将棋界は他のプロ世界に比べても現役期間が長いです。
これもまた違った意味で将棋界は長命な世界だと言えるでしょう。