2021年6月1日現在、タイトルを獲得した棋士は45名。
棋士328名(棋士番号所有者+山田道美九段)のうち、およそ7人に1人の割合でタイトル獲得者が誕生してきた計算になります。
その45名が獲得した初タイトルについて調べてみました。
各タイトル戦の開催期数
現在、タイトル戦は8つありますが、発展解消したタイトル戦(九段戦、十段戦)も含めると10のタイトル戦が存在します。
その10のタイトル戦の2020度までの開催期数はそれぞれ次のとおりとなっています。
タイトル | 開催期数 |
竜王 | 33期 |
名人 | 78期 |
王位 | 61期 |
王座 | 38期(※) |
棋王 | 46期 |
叡王 | 3期 |
王将 | 70期 |
棋聖 | 91期 |
九段 | 12期(1961年度まで) |
十段 | 26期(1987年度まで) |
(※)タイトル昇格からの開催期数
やはり、1994年度まで年2期開催していた棋聖戦が歴史の一番古い名人戦よりも断トツに期数が多いことがわかります。
やはり棋聖に軍配
次はタイトルごとに初タイトルの人数を示したものです。
タイトル経験者45名のうち、初タイトルが棋聖だった棋士は13名もいました。
序列1位の竜王、名人を抑えて堂々のトップです。
やはり、他棋戦より開催期数が多い分、当然獲得するチャンスも増えます。
年2期開催であった1994年度までに初タイトルとして棋聖を獲得した棋士が10人であったことからもそのことが窺えます。
ちなみに初タイトルが「九段」だった棋士は大山康晴十五世名人です。
名人というイメージが強すぎるため、少し意外な気もします。
初タイトルとして難しいのは?
では、次にタイトルごとに初タイトルの割合を見ていきましょう。
タイトルごとの開催期数をそれぞれ、初タイトルの人数で割って算出します。
タイトル | 初タイトルの割合 |
竜王 | 6期に1人 |
名人 | 13期に1人 |
王位 | 10期に1人 |
王座 | 13期に1人 |
棋王 | 15期に1人 |
叡王 | 2期に1人 |
王将 | 23期に1人 |
棋聖 | 7期に1人 |
九段 | 12期に1人 |
十段 | 13期に1人 |
上記の表のとおり、王将位が初タイトルとして一番獲得しにくいことがわかります。
王将リーグは最も過酷なリーグで知られており、やはり若手、新人がリーグを勝ち抜くことは容易ではないことをこの数値が物語っているような気がします。
やはりタイトルは特別なもの
いかがだったでしょうか。
棋聖が初タイトルとして一番多いことがわかりました。
しかし、タイトル獲得者が「7人に1人」という事実が物語るようにどのタイトルも獲得することは容易ではありません。
果たして今後、どのタイトルが初タイトルとして数を伸ばしていくのか、注目です。